Month: 11月 2020

ラジオ第148回「魔に立ち向かう力」

王・金文

前回、「赤」という字が、人が両手両足を広げた「大」と「魔を追い払う力」を持つ「火」との組み合わせからできた字だということを紹介しました。

古代の人々にとって「魔」は得体の知れない恐ろしい力を持つものでした。「病気」、「祟り」、「事故」、「自然の猛威」、それらの恐ろしい「魔」にどう立ち向かうか、様々な方法で挑んだのです。とくに、人を殺傷する武器は同じぐらいの力で自分たちの身を守ってくれるものと信じていました。 続きを読む

ラジオ第147回「赤と明」

赤・甲骨

暦の上では「立冬」を過ぎましたが、京都はこれから錦秋の時を迎えます。すでに紅葉の名所「高雄」は見ごろを迎え、東山の「永観堂」もライトアップを始めたとニュースで報じられていました。今年は例年より人出は少ないかもしれませんが、つかの間京都は、あでやかな色に染め上げられます。 続きを読む

ラジオ第146回「時の流れ」

時・篆文

秋は時の流れを強く感じさせる季節です。今年もだいぶ経ったなとか、早く過ぎたなといった思いにふけるのも、秋だからかもしれません。紅葉が始まり、木の葉が散るころになれば、さらに感慨は深くなります。そこで、今日は過ぎゆく時の流れの「」という字の成り立ちから始めます。 続きを読む